2020.7.10 正木ブログ
債権回収会社からの調停申し立て
新型コロナウィルスの影響で、裁判所が業務を縮小し、いまなお事件の進行に遅れが出ております。
東京の事件ではありませんが、先日近県の某支部の破産事件に関連し(私は申立側の代理人です)、管財人が訴訟提起したところ、5月末の訴訟提起で地裁は7月に第1回の期日が入っておりましたが、簡易裁判所の第1回期日は9月初旬でした。
自分が記憶する限りでも、これまで簡易裁判所の第1回期日が申立から3か月以上後に指定されたことはありません。狭い簡易裁判所の法廷に、多くの債権者・債務者が集まることで感染リスクが上がることを懸念し、1日に入る事件数を抑えているのではないか……と予想します。
これは近県の支部のことですが、東京も状況は大きく変わらないとは思います。
そのためか、先日お越しいただいた方が、債権回収会社から調停を申し立てられた、という話をされておりました。これまで、債務者側から特定調停を申し立てることはありましたが、債権者側から調停を申し立てられたというのは記憶にありません。
東京簡易裁判所では、調停は錦糸町にある墨田庁舎でおこなわれることになっており、比較的事件数が少ないとされております(統計をみたわけではありませんが…)。
債権回収会社が訴訟や支払督促ではなく調停を申し立てた理由は不明ですが(債務者の属性から、話し合って解決したいという意向があっただけかもしれません)、東京簡易裁判所の混雑・訴訟進行の遅延を懸念したためかもしれません。
もちろん、調停であっても訴訟であっても、あるいは支払督促であっても、対処すべきことには変わりはありませんし、やるべきことにも大きな違いはありません。
いずれにしても、緊急事態ではありますから、今ある制度を柔軟に利用して解決を探ることが重要なのだと考えております。
ちなみに,この写真は当該支部の近くにある神社の手水舎に摂津されている神像?です。