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正木ブログ

悋気の独楽~浮気と目撃証言

先日、桂宮治さんの落語会にお誘いいただきました。

そこでゲストの三遊亭遊雀さんがかけておられたのが、悋気の独楽というネタです。このネタは、夫の浮気を、浮気先まで追いかけた丁稚が証言するという流れになっています。

浮気に関する相談で極めて多いのが、「○○は証拠になりますか」という質問です。○○に入るのは、写真であったりLINE履歴であったり目撃証言だったりホテルの領収書だったり、様々です。

これに対する答えは、「証拠にはなるけれど、証拠としての価値は様々であり、ケースバイケースである」ということになります。こういう答えをするとがっかりされることが多いですが、たとえば一口に「ホテル」といっても、ラブホテルもあればビジネスホテルもあればシティホテルもありますし、別々の部屋に泊まっていたのか同じ部屋でダブルベッドだったのかでももちろん変わります。平日の昼に上司と会議がおこなわれているシティホテルにスーツで入っていくのと、休日の夜に上司と私服で腕を組んでラブホテルに入っていくのとでは、同じ「2人でホテルに入る」場面でも、当然意味が違うのです。

今回は丁稚が女性宅まで追跡し、そこに夫が泊まるかどうかが問題になっており、丁稚は双方から金銭を貰うたびに発言を変える問題の多い証人であるとはいえ、女性宅で独楽を受け取っているというのだから「丁稚の発言はでまかせである」という言い分は非常に通りづらい事案です(但し、丁稚が「独楽は別のところで貰った」などと発言をひっくり返すと厄介なので、現代であれば丁稚発言は録音すべきです)。

証拠については、単純化せずに、辛抱強くその価値を分析し、集めねばならないことも多いのです。

 

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