2024.10.10 正木ブログ
ベルギー最高裁判所
夏休みにブリュッセルに旅行に行き、その際にベルギー最高裁判所にも立ち寄りました。
ベルギーもシンガポールなどと同様に、最高裁判所の建物に下級審法廷も入っております。
昼時に行ったため、残念ながら法廷傍聴はできませんでしたが、ヨーロッパらしい、非常に厳粛な雰囲気の裁判所でした。
ところで、ベルギーは公用語が複数あることで知られております(行きがけの飛行機内で読んだ松尾秀哉著『物語 ベルギーの歴史』によれば、言語というアイデンティティに関わるものが分裂していることでベルギーは国家としてまとまるためにかなり苦心しているようです)。
ベルギー法廷において、北部フランデレンと南部ワロンの当事者で争う場合、言語はどのようになっているのか大変興味深いです。残念ながらベルギーの弁護士には知り合いがいないので、このあたりを気軽に誰かに聞くことはできないのでありますが……。
ちなみに、契約書などでも日本語のものと英語のものが作られることは非常に多く見られます。このような場合、いずれかの言語のものを正本とするような条項が入ることが多いですが、そのような文言がない場合には言語ごとの契約解釈で揉めることも散見されます。
言語をめぐる争いというのは非常に難しい問題をはらんでおります。