2022.3.3 正木ブログ
キーウとキエフ
ロシアによるウクライナ侵略については、私としても色々と思うところはありますが、現時点で私ができることをやるしかない、という状況です。
留学時には、クラスメイトにウクライナ人の方・ロシア人の方双方おられました。ウクライナ人の方は現在ロンドン在住で弁護士として活動されておられますが、彼女のSNSへの投稿などを拝見しつつも、なんともいえない気持ちになっております。
今回のウクライナでの戦争を機に、ウクライナの首都をロシア語の「キエフ」でなくウクライナ語の「キーウ」とすべきである、という論調が強くなっております。記憶に新しいところでは、平成27年4月22日からグルジアがジョージアという表記に変わりました。
ウクライナ語表記については、今回の戦争とは関係なく、2019年にウクライナの地名のカタカナ表記に関する有識者会議が開かれており、首都名については、「キーウ、キイフ、 キエフの3例の併用を可とする。」という結論に至ったようです。
他方、法律では外国の首都の呼称を定める法律は存在しないのですが、在外公館の名称及び位置並びに在外公館に勤務する外務公務員の給与に関する法律という法律(その名の通り、日本の在外公館の名称と所在地を定め、そこに勤務する方々の給与を定める法律です)において、在ウクライナ日本国大使館はウクライナのキエフに設置する、と定められております(別表第一の一)。
検索する限り、日本の法律に「キエフ」の文字が登場するのはこの法律のみで、日本国としてウクライナの首都を「キエフ」から「キーウ」表記に変更する場合には、この法律を改正することになると思われます。