2020.9.19 正木ブログ
ジャパンライフの山口会長ら逮捕
ジャパンライフ株式会社の山口隆祥元会長らが逮捕された,とのニュースが流れております。言うまでも無く,現時点では逮捕されただけですので,山口氏らの犯罪行為が認定されたわけでも,有罪が確定したわけでもありません。また,この時点での逮捕ということで,本当に罪証を隠滅するおそれがあるのかも分かりません。
とはいえ,ジャパンライフの問題が騒がれ,さらにはジャパンライフ社の破産手続開始決定が出されてから2年たったいま,同社の問題が再度検証されることになるのでしょう。
私が同社の問題に関わっていたのは愛媛弁護士会に所属していたときですので(今でも全国協議会のメーリングリストには入っておりますが),この問題について語ることはできませんが,やはり考えさせられるのは,詐欺などの経済犯罪の難しさです。
金額の多寡は様々ですが,「騙された」「詐欺に遭った」「詐欺で訴えたい」というご相談は極めて多くあります。経緯から見て,騙される方が悪いケースもありますが,他方でとてもかわいそうなケールも多々あります。しかし,詐欺罪で捜査機関を動かすことは,容易ではありません。今回のケースでも,破産手続開始から2年かかっていることからも(ケースがケースなので捜査機関が慎重になった面はあれど),このことは想像がつくと思います。
とりわけ,「騙そうとして騙した」,法律用語を使うならば欺罔行為とその故意,を証明することが,極めて難しいのです。このハードルの高さをイメージするのは困難で,被害者側はもちろん,加害者と疑われている側も,そして何より弁護士も,理解し切れていないことが多々あります(自戒を込めて書いています)。
今後,ジャパンライフの問題がどのように推移するかは分かりませんが,同種の事件が再発しないように,これ以上被害者が出ないようになることを願うばかりです。