2025.2.6 正木ブログ
ブルネイダルサラームとイギリスPrivy Council
2024年末~25年始にかけて、ボルネオ島に行っておりました。そして、年明けはブルネイダルサラーム国の首都、バンダルスリブガワンで迎えました。
ブルネイダルサラーム国は旧イギリス領で、現在もコモンウェルスの一員をなしております。
そして、ブルネイ司法省のウェブサイトによるとブルネイにおいては、民事事件については、ブルネイの控訴院(Court of Appeal)からイギリスの枢密院(Privy Council)への上訴が可能となっているようです(イギリスのThe Brunei (Appeals) Order 1989参照)。他方で、刑事事件については、Court of Appealが最上級審とされているようで、このあたりの制度設計、特に民事最上級審の権限をイギリスに与える点は、治外法権を悪と学んできた日本から見ると大変興味深いところです。
※ 付け焼き刃的な記述ですので、正確な制度については専門の弁護士等にお問い合わせください。
あらためて、私が留学中にイギリスの最高裁判所のPrivy Councilの部屋に行ったときの写真を見てみたところ、確かに居並ぶ国旗の中に、ブルネイダルサラームの国旗も並んでおりました。
実際上どの程度Privy Councilへの上訴がなされているのかは分かりませんが、司法制度というのはとにもかくにも国ごとに大きく異なるものであり、何か問題があった場合には当地の弁護士・法律家に相談すること、そして契約においては管轄や準拠法に注意することが重要だと考えさせられます。