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コラム

企業法務

会社が倒産の危機!従業員の給料・退職金は支払ってもらえるの?

給料

もしあなたのお勤めしている会社が倒産したら、心配になるのは給料や退職金のことではないでしょうか?会社の倒産は運営資金がないということ、つまり給料であっても会社にお金がなければ給料をもらう権利があってももらえないおそれがあるのです。今回のコラムでは労働者だからこそ知っておきたい会社倒産時の給料はどう扱われるのか、またどうすれば給料をもらい損ねなくなるかを中心に解説いたします。


会社が倒産したら給料や退職金はどうなる?

結論からお伝えすると、会社が倒産の危機に貧した以上は給料や退職金をすべて回収することは困難です。倒産手続きをしないにしても会社にお金がなければ支払いたくても支払えませんし、倒産手続きをすればいくばくかの配当はもらえますが満額の回収は望めません。たとえば倒産手続きにおいて会社の備品などを売却して債務返済に充てることになりますが、倒産する以上は債務が膨大になっていることも少なくはないので金銭の配当があっても微小にとどまるでしょう。「給料回収は諦めるしかない」とお考えの方も多いでしょうが、給料は会社がもつ債務の中でも優先して支払われる性質をもつので、満額は難しいにしても希望をすべて捨てる必要はないのです。


給料の取りこぼしがないようにするには

お金

だれでも働いた対価に給料をしっかり回収したいと思うものですが、倒産というキーワードばかりに気を取られてどうすれば給料を取りこぼさなくて済むか考えが及ばない人も多いでしょう。倒産したとしても以下のような対策を視野にいれて行動することで、生活の困窮や危機を回避することは可能なのです。


未払賃金立替払制度を活用する

未払賃金立替払制度とは会社とは違う公共機関が運営している未払い賃金の一部を補填してくれる制度です。条件はいくつかあるものの、企業が1年以上事業をしていて裁判所による倒産手続きをしたか、再開の見込みなく事業を停止した企業の労働者に対して支払われます。たとえば起業して1年も経っていない零細起業であれば制度は利用できませんが、1年以上の事業活動があって倒産していれば利用できるのです。ポイントは未払いの賃金が満額支払われるのではなく、未払い賃金の80%までしか支払われない点なのですが、まったくもらえないよりかは大半は支払われるので困っている人にとっては頼れる救済制度といえるでしょう。


個人で差し押さえをする

会社が倒産する前兆をみせていて、あなたの給料が未払いになっている場合は個人で裁判所手続きを使って差し押さえに着手することも視野にいれるとよいでしょう。裁判所手続きは一般的に弁護士に任せないと利用できないイメージがありますが、日本においては弁護士なしでも裁判所手続きを利用でき、主張が認められれば会社の財産を差し押さえることができます。たとえば未払いの賃金が20万円あって回収する場合、裁判などで主張を認めてもらい会社の財産(パソコン)などを差し押さえて換金し未払い賃金に補填するイメージです。個人で裁判所手続きをする以上は必要な知識が求められる点がネックになりますが、訴状や申請書の書き方は裁判所書記官が教えてくれるので、時間はかかりますが個人でもなんとか提起することは可能なのです。


弁護士に依頼する

より確実に未払い賃金を回収したいのであれば、弁護士に依頼して堅実に回収するのもよいでしょう。弁護士に依頼すれば会社への交渉はもちろん、ご希望に応じて裁判所手続きを使って未払い賃金の支払いを求めていくので、個人で回収するよりもより確実に回収できる可能性が広まります。たとえば交渉の段階でも弁護士が介入すれば、会社側が尻込みをしてきちんと支払いに応じるようなケースがあげられるでしょう。弁護士への依頼においては費用は必ず必要ですが、法テラスを利用すれば弁護士費用の分割払いができるので一度の負担を少なくして依頼できるため、経済的に苦しい人でも弁護士に依頼することができるのです(要審査)。


大切なのは早期の情報収集がカギ

弁護士

近年はいつどこの企業が倒産してもおかしくはないため決して他人事ではありませんが、倒産をする前に倒産しそうな予兆や情報を汲み取って対策を考えはじめることが重要です。倒産するにしても告知されてから対策を考えるよりも、前兆を汲み取って動き始めておくほうが時間にも余裕があり裁判所手続きなどの利用も視野にいれて行動ができます。たとえば新卒・中途採用の減少や停止、経理職が連続して退職している事実などを早期に知ることができれば「会社が倒産するのかも?」と推定でき、必要な手続きの準備を早期に進めることができるのです。企業によっては倒産のサインを出さないところもありますが、倒産はいつ誰の身に起きても不思議ではないので、普段から最悪の事態を想定して何が必要なのかを調べておくとよいでしょう。


まとめ

未払い賃金があるまま会社が倒産した場合満額を回収することは難しいでしょうが、未払賃金立替払制度や裁判などを提起することで未払い賃金の補填や回収をすることはできるので諦める必要はありません。しかし裁判所手続きを利用する場合、多くは手続きの煩雑さから諦めてしまう人も多いので、労働問題にも実績が多い当事務所にご相談されてみませんか?当事務所は多角的な視点から問題に取り組み、ご相談者・ご依頼者様がご満足いただけるよう最善をつくして問題解決にあたります。事前のご連絡で土日祝日のご相談も可能ですので、ぜひお気軽にご相談ください。

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