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コラム

企業法務

リストラってどんなもの?整理解雇で損をしないために伝えたいこと

リストラ

就職活動は売り手市場になりつつありますが、一方で大企業であってもいつ解雇にあっても不思議でもない時代が到来しており、まさに最近リストラを言い渡されてお困りの人もいらっしゃるでしょう。

リストラは世間的にもよく聞く単語ですが、実はリストラがどのような性質なものなのか、またリストラの条件がなんなのかをご存知ない方も多いです。

今回のコラムでは働く人にとって身近な存在であるリストラがどのようなものなのか、どのような条件が必要なのかを中心に解説いたします。


リストラとはどんなもの?

会社

リストラは数ある解雇の中にカウントされる種類で、より正確にいうと整理解雇といいます。後述しますが整理解雇はほかの解雇とは違い労働者側が原因で解雇されるわけではなく、会社側の都合で人員を整理するためにおこなわれるため整理解雇と呼ばれています。

たとえば企業であっても操業を誤れば経営が傾き、会社存続のために不要なコストをカット、今回でいう人件費を削減するために従業員を解雇するケースが整理解雇に該当するのです。

会社存続という大義名分があれば解雇もいたしかたないと諦めそうですが、企業がリストラと言い渡しても、リストラが有効になる条件をクリアしていないと有効にはならないので完全に諦める必要はありません。

リストラは会社存続のために必要な措置であり応じざるを得ないイメージがありますが、必ずしも有効なリストラとは限らないので争う余地はあるのです。


他の解雇との違い

リストラは解雇のひとつとお伝えしましたが、リストラ以外の種類についてもあまりよくわかっていない、どう違うのかわからない方も多いでしょう。解雇とひとくちにいっても以下のようにそれぞれの解雇には特色があり、似ているようで非なる存在なのです。


普通解雇

普通解雇とは労働者が会社の求める労働力を提供できなかったなどで実行される解雇のことです。整理解雇とは違い普通解雇は労働者側に問題があり、改善されなかったり職歴を偽装して入社したなどのいわば悪さをした場合に実行されるという点で違いがあります。

たとえば採用面接の際に実際には未経験なのにもかかわらず、採用されやすいように業務経験があるような履歴書を用意して採用され、バレたときに実行されるのが普通解雇です。

ただし普通解雇といえども、労働者の良し悪しすべてを受け止めたうえで労働力を提供してもらうので普通解雇するにしても厳しい条件が必要ということには変わりません。


懲戒解雇

懲戒解雇は就業規則などに記載されているにも関わらず。会社の規則に背いたときに実行される解雇です。整理解雇との違いは普通解雇と同様に労働者側に問題がある場合に実行されますが、懲戒解雇は特に背信的な行為(悪質な行為)をした際にだけ実行される、いわばお仕置きのような解雇でもあります。

たとえば小売業をしているとオフィスに商品をストックしている企業もありますが、会社に黙って商品を盗み自分で使ってしまうようなケースに懲戒解雇が実行されるのです。

悪質な行為をすれば懲戒解雇もやむなしと思われそうですが、解雇は懲戒の中でももっとも重たい処分でもあるのでかなり厳格な条件をクリアしていないと実行できません。

解雇の種類を問わず、いずれも厳しい条件が課されているため簡単に労働者を切り捨てることはできないのです。


リストラは条件をクリアしないと実行できない

裁判

リストラ(整理解雇)と他の解雇は性質が違うといえども、リストラもまた厳しい条件をクリアしないと有効にはならないという点においては共通しています。

有効なリストラをするためには、人員削減の必要性、解雇を回避するために努力をしたか、解雇対象者の選定に合理性はあるか、そして解雇にともなう手続きが適法であったかなども求められるのです。

たとえば人員削減の必要性は会社が深刻な状況になっていないと認められませんし、経営難に陥っていても解雇しないよう役員報酬をカットをしたかなどがあげられます。

また解雇対象者はクジで決めればいいというわけではなく、解雇対象者が解雇に足りる理由、たとえば営業成績がずっとよくなかった人を選ぶようにしないと認められないのです。

解雇条件をクリアすればすぐに解雇していいというわけではなく、解雇候補者に納得してもらうようにきちんと話し合いもしなければならないので、経営困難であっても簡単にリストラはできないのです。


不当なリストラは覆すことができる

誰しもリストラを言い渡されたら従わざるをえないと諦めてしまいますが、会社の一方的なリストラを覆すことはできるため悲観的になる必要はありません。

先もお伝えしたようにリストラには厳格な要件が定められており、これらをクリアしていない根拠のないリストラは無効と推定される可能性が高く、リストラを無効にして勤務を継続できる余地があるのです。

もちろんリストラが無効であることを主張するには経営難ではない財務状況を示す書類や、一方的にリストラを突きつけられた会話データなどの証拠が必要なのでしっかりと準備しなければいけません。

リストラはいきなり言い渡されるので準備ができないと思われそうですが、リストラを控える企業には残業代カットなどの前兆動作があるので、会社の動きを観察しておくとリストラ抗戦への備えもできるでしょう。


まとめ

リストラとは解雇のひとつで、会社存続のために実行される、いわばいたしかたない解雇でもあるといえます。

しかし労働者からすると職を失うことは生活の破綻にも繋がるので、できればリストラを覆して従来どおり働きたいと思うでしょうから、甘んじて受け入れず戦うことも視野にいれるのも大切です。

当事務所はそんな不当解雇などにも多くの方からご相談をお受けしている実績があり、広い視野で問題に臨みご依頼者の問題が解決できるように徹底的にサポートいたします。

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