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コラム

企業法務

まさかの内定取消に?内定取り消しに有効な法的手段とは

取り消し

就職が決まれば誰しも嬉しいものですが、必ずしもとんとんと就業までに至れず内定取り消しにあい思わぬトラブルに巻き込まれてしまう人が現実にいらっしゃいます。

内定取り消しは無効となるケースが多い中で提出書類へ嘘を記載したり、SNSでとんでもない投稿などをすると内定取り消しが有効と認められてしまう場合があるのです。

今回のコラムでは内定取り消しが有効になる条件と、内定取り消し時にできる対抗手段について解説いたします。


内定取り消しが有効になる条件とは

内定

内定取り消しはそもそも就業こそしていないものの労働契約(会社で働くこと)が結ばれているので、すでに働いている従業員と同様に簡単に労働契約の解除(やめさせること)はできません。

しかし厳しい内定取り消しの制限があっても以下のような条件に該当する場合、難しいといえども内定取り消しが有効になってしまう場合があるのです。


履歴書などに嘘を記載した

まずエントリーシートや履歴書など提出する書類に嘘を記載していた場合は内定取り消しが有効になる場合があります。エントリーシートや履歴書はいわば企業があなたはどのような人なのかを判断する材料のひとつで、書類と面談を経てあなたの人となりを判断し採用(内定)を出しているのです。

あなたの印象を決める根幹であった書類に虚偽があれば、たとえ好印象であっても企業を騙したことには違いないので内定取り消しが有効になる余地は大きいでしょう。

中には「バレなければ少しの嘘ならいいだろう」と考える人もいらっしゃいますが、就業開始後に虚偽が判明した場合は詐欺罪として告訴されるおそれもあるのでおすすめできるものではありません。


犯罪をして逮捕された

就業開始前に犯罪をして逮捕された場合も内定の取り消しになり得るおそれがあります。就業していないとはいえ企業と労働契約が成立しているので会社のルールである就業規則に従わなければなりませんが、就業規則の懲戒事由に逮捕が規定されていれば内定取り消しが有効になってしまうのです。

たとえば内定が出た後にお酒を飲み、酔った勢いで誰かを殴って傷害事件を起こして逮捕されたようなケースが当てはまります。

なお逮捕されたからといっても起訴されずに終結できれば内定取り消しにまで至らずに済む場合もありますが、それでも気を抜かずに生活をすることが何よりといえるでしょう。


SNSで不適切な投稿をした

SNSは若者の間で頻繁に利用されていますが、不適切な投稿をしたら内定が取り消しになる余地があります。SNSはあくまで個人の楽しみであり何を投稿するのも自由ですが、会社の機密事項を漏らしたり信用を失わせるような投稿をすれば懲戒事由に該当して内定の取り消しが有効になってしまいます。

たとえば内定先が飲食店で研修のために厨房に訪れていた際に食材で遊んでいる画像を投稿するようなケースがあげられるでしょう。

「ちょっとくらいいいだろう」と思いがちですが第三者から見れば就業前の人間であっても会社の人間ですから、就業前を理由におふざけを正当化することはできません。


内定取り消しに対抗する有効な手段とは

有効な手段

万が一自分に非がないのに内定を取り消されたとしても、必ずしも鵜呑みして泣き寝入りする必要はありません。企業が内定の取り消しを決定したとしても、以下のような対抗策を実行することで内定取り消しを覆す余地があります。


労働審判を申し立てる

労働審判とは裁判所で専門家がおこなう話し合いのことです。労働審判は裁判のように仰々しいものではなく複数の審判員と裁判官を交えて内定取り消しの無効を主張していき、企業側が納得すれば内定取り消しを覆すことができます。

たとえば内定取り消しを受けて出社も拒まれ続けていて数ヶ月が経っても労働審判での主張や話し合いが認められれば就業をスタートできますし、出社拒否期間の賃金の支払いも請求することが可能です。

裁判所に出向いて審判しなければいけないので気が重くなりそうですが、期日は3回以内と定められているのでそこまで苦痛になる心配もありません。


裁判を申し立てる

労働審判で決着がつかない場合は裁判で内定取り消しの違法性を争っていきましょう。労働審判はあくまでも話し合いであり相手が頑なに拒めば解決させることは難しいですが、裁判で主張をして認められれば相手が拒んでいても内定取り消しを覆して就業をスタートすることが可能です。

たとえば内定通知書をすでに受け取っていれば労働契約が成立していると考えられるので、企業が裁判で内定取り消しを押し通るのは難しくなり、内定取り消しが不適切という判決が示される可能性は高いでしょう。

裁判となれば弁護士費用などが払えそうにないと思いがちですが、近年は分割払いに対応した事務所も多く登場しているので、ご自身にあった事務所を選べば負担を軽くして裁判を起こすことも可能なのです。


まとめ

内定取り消しは厳しい制限があるものの、書類への虚偽の記載や犯罪で逮捕されたり、またはSNSで不適切な投稿をすると懲戒事由に該当して内定取り消しが有効になってしまうおそれがあります。

内定取り消しは本人だけで争っていくことも可能ですが、労力や精神的ストレスが多いため労働問題に詳しい当事務所にご相談されることをおすすめいたします。

事前にご連絡いただければ夜間にもご相談をお引き受けしていますので、ぜひお気軽にご相談ください。

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