保険会社との示談を有利に進めるには？覚えておきたい3つの戦略

2020.3.26 交通事故問題

交通事故の示談交渉はしばしば被害者本人（あなた）が単独でおこなうケースもありますが、プロである保険会社とどのように交渉すればうまく話を進められるか不安に思っている人は多いです。

保険会社と示談交渉を進めるためには、事前知識を備え、提示される条件をふたつ返事で承諾しない、そして知らないことをそのままにしないことが挙げられます。

今回のコラムでは示談交渉で後悔しないために知っておきたい交渉ポイントと、損をしない示談を成立させるテクニックをご紹介いたします。

交通事故の示談交渉をうまく進めるには

交通事故といっても被害者（あなた）に過失がゼロの場合、あなたが加入している保険会社が交渉を代行してくれないので自分で話を進めなければいけないことがほとんどです。

特に保険会社と交渉をしたことがない人は多く、何を話せばいいのか、何が正しいのかわからず不安に思ってしまいますが、以下のポイントを抑えて交渉に臨むと後悔の少ない未来につなげることができます。

示談交渉だけに限らず、物事の全容を事前に把握しておくことは大切です。何も知らずに示談交渉に望んだ場合、相手方保険会社の言うことひとつひとつに対してその都度調べて対応していかなければならず、場合によっては丸め込まれて不本意な結果になるおそれがあります。

たとえば保険金を請求する際に医療費の明細（レシートなど）が必要だったのに、無意識に捨ててしまって治療費を請求できずに泣き寝入りしてしうケースがあげられるでしょう。

近年の保険会社は何も知らせず話を進めるということはほとんどありませんが、保険会社にとって常識すぎて被害者へのお知らせが漏れるものもありますので、完全な受け身で対応するのはナンセンスです。

示談交渉で覚えておきたいのは、相手の保険会社の提示する条件や言うことの全てを鵜呑みにしない点があげられます。相手方保険会社はどこまでいっても加害者の保険会社であり味方ではないので、あなたに払う保険金を少しでも安くしたいと画策するのが通常です。

たとえば治療が完全に終わっていないのに「そろそろ治療も終わる頃でしょうから示談に進めましょう」などと切り出され治療費を打ち切ろうするケースがあげられます。

あからさまに変なタイミングで話を切り出すケースは少ないですが、絶妙に早いタイミングや被害者を納得させやすい時期に話を持ち込んでくることもあるため油断はできません。

示談交渉は必ずしも一般的な言葉で説明されないケースもあり、知らない言葉をわからないまま放置して話を進めるのは大変危険です。たとえば交通事故の用語に『過失相殺』という言葉がありますが、知識がないままスルーすると予想していた保険金が支払われずに慌ててしまうようなケースがあげられます。

過失相殺の場合は事故を起こした双方の責任に応じて、保険金の支払額を調整（減額）するというものですが、あなたにも事故の過失があれば相手に請求できる損害の請求は過失に応じて減額されるのです。

知らないことを聞くことは恥ずかしいと考える人もいらっしゃいますが、一時の恥ずかしさと事故の損害を補填されるのとを天秤にかけると、損害補填を優先する方がずっと建設的でしょう。

誰しも示談交渉は納得できる内容で着地させたいと思うものですが、場合によってはあなたが納得できない結果になることもあります。

冒頭のような交渉術も大切ですが、交渉術以外にも以下のような対策をしておくことで損のない示談を成立させられる可能性があるのです。

示談交渉だけに限らず、何事も証拠を集めておくことは事態を好転化させるキーになります。示談交渉でしばしば問題になるのは保険金の算出ですが、保険金算出の根拠となる資料（証拠）がないと保険会社に適切な主張ができず、満足のいく保険金を支払ってもらえません。

たとえば通院のために使った電車やバス代は領収書は不要とする保険会社は多いですが、担当者によっては領収書を求めてくる人もいるため、不要と思っていても領収書はもらって捨てずに保管しておくとスマートです。

領収書は再発行してもらえると思いがちですが、公共交通機関は領収書の再発行はしていないことがほとんどであり、領収書が欲しくなってももらえないので有事を考えて全てのレシート類は保管しておくといいでしょう。

もし一人だけで保険会社との交渉が不安であれば、弁護士に依頼するのもひとつの手です。交通事故の交渉は必ずしも被害者本人がしなければならないというわけではなく、弁護士に依頼すれば交渉を代行してもらえます。

交渉ポイントをおさえていても実際に保険会社と話をすると、緊張して対策を忘れてしまう人も多く望まない結果になる人もいるため、緊張しやすい人は弁護士に任せた方が精神的負担も少なくなるためおすすめです。

弁護士に依頼すると依頼費用がネックになる場合もありますが、あなたが加入している任意保険に弁護士特約が付加されていれば、出費なしで交渉を代行してもらえる可能性もあるのでチェックしてみるといいでしょう。

保険会社と示談交渉をする場合は示談がどのように進むのかを知り、相手が言うことのすべてを鵜呑みにしない、そしてわからないことは聞いたり調べて対応するようにしなければいけません。

中には調べていてもわからないことが出てきて混乱するおそれもありますので、あなただけで対応するのが辛い場合は交通事故の相談実績が豊富な当事務所に一度ご相談ください。

当事務所は怪我をしている人でもご来所いただきやすいよう駅からすぐ近くの場所に位置しているので、ご相談もスムーズに進めることができます。

事前のご連絡で夜間のご相談も可能ですので、ぜひお気軽にご来所ください。