2020.4.13 交通事故問題
交通事故でむちうちになった時に損をしないためのポイント
交通事故にあうとむちうちになったとよく聞きますが、実際はどのような症状なのかあまり知られていないのが現実です。もしあなたが交通事故にあって体に不調が起きている場合、今回ご紹介するような症状があればむちうちであるおそれがあります。
今回のコラムではむちうちがどのような症状なのかを解説するとともに、請求できる慰謝料の金額についてもご紹介いたします。
むちうちの概要
むちうちとは正しい病名ではなく、頸椎捻挫という名前で診断されることが大半です。簡単にいうと、交通事故によって起きた強い衝撃で首に衝撃が発生して傷めてしまうことをいいます。
むちうちの由来は体が衝撃によって揺れ、その反動で首がしなるところから、「鞭を打っているような見た目」から名付けられたと考えられているのです。
むちうちの症状
むちうちになると主に起こる症状は頭痛やめまい、首や肩の痛み、手の痺れなどが起きます。原因として首には脳とつながっている神経があり、交通事故の衝撃によって神経に負荷がかかりダメージになるため頭痛など頭部の不調が起きると考えられています。
特に首の神経は自律神経と呼ばれる全身の器官を制御する重要な神経が通っているので、今までは頭痛とは無縁だった人もズキッと痛みが発生しやすくなるのです。
交通事故にあえば必ずしも頭痛が起きやすくなるわけではなく別の症状が起きる場合もありますが、むちうちの影響も考えられるため早急に医師の診察を受けるようにするとよいでしょう。
むちうちが治る期間
むちうちが治るにはおよそ3ヶ月程度であると考えられていますが、人によって完治する期間は前後します。むちうちというのは骨折などとは違い第三者が目視できる症状がなく、大半が交通事故の被害者だけが感じる症状のみです。
適切な治療を進めていてもいつまで経っても痛みが緩和されない人もいれば、治療を続けていくと短期間で快方に向かう人もいます。しかし事故の衝撃が強ければ強いほど完治するまでには時間がかかりますので、治癒目安は気にせずに治療を続けることが大切です。
むちうちでもらえる慰謝料の相場
交通事故でむちうちにあえば相手の保険会社から慰謝料をもらうことができます。請求できる慰謝料の金額は、簡単にいうとむちうちを治療するために通院（治療）をした回数×4,200円で算出します。
むちうちの通院期間はある程度平均がきまっているので、平均回数をもとに慰謝料の金額をご紹介します。
3ヶ月通院した場合
軽症から中等のむちうちで3ヶ月通院をした場合、請求できる慰謝料はおよそ150,000円程度になります。軽症から中等のむちうちは日常生活に支障がないものの、首の違和感や痛みが不定期に発生するため週3回程度の通院が望ましいです。
そのため週3回を4週（1ヶ月）続けると、月50,400円、3ヶ月続けると151,200円となります。
6ヶ月通院した場合
重度の症状をともなうむちうちを治療するため6ヶ月通院すれば、慰謝料の金額は500,000円程度になります。重度のむちうちの場合、毎日頭痛が発生することも少なくはなく、痛みを抑えるために毎日通院する必要があります。
そのため休診日を除く週5日通院して1ヶ月であれば週5×4,200円で21,000、これを4週（1ヶ月）続けると84,000、そして6ヶ月続けると504,000円になるのです。
慰謝料を適切に請求するためには
残念ながらむちうちはその特徴もあって満足のいく慰謝料を請求できないケースが多いです。理由としてはむちうちは本人にしかわからない症状なので、医師も診断しにくく、相手の保険会社から症状固定（改善しない）と判断されやすいのです。
症状固定と判断されるとどんなに通院しても慰謝料の算定する基準には含まれなくなります。このように不適切に慰謝料請求をカットされないためにも、以下の対策をする必要があります。
しっかり通院すること
当然ですが交通事故被害にあって通院をしていないと適切な慰謝料は請求できません。たとえばむちうちの症状が軽度ですぐに治りそうであれば週１回程度の通院でも構いませんが、中等の症状で長引きそうなのに週1回しか通院していないと症状を深刻視されずすぐに症状固定にされるおそれがあります。
働いている人ですと早退しないと通院できないケースも少なくありませんが、適切な慰謝料を請求するためには症状にあった通院回数は必要不可欠です。
なお、早退したためにもらえなかった給料は別途保険会社に請求できますので、安心して通院するとよいでしょう。
弁護士に依頼する
交通事故の被害解決に向けた話し合いがこじれることはよくありますが、弁護士に依頼すると慰謝料の金額も含めて納得のいく話し合いができる可能性が高まります。
弁護士は一般人とは違い過去に起きた交通事故の実例と裁判所が示した判断をもとに保険会社へ交渉するため、一方的な条件の押し付けにある心配がありません。
また慰謝料の面でも、弁護士が交渉する際は通常利用される慰謝料の基準よりも高額な弁護士基準と呼ばれる基準を使用するため、同じ治療回数を受けても請求できる慰謝料が多くなります。
たとえばむちうちで6ヶ月通院したら通常は504,00円ですが、弁護士の交渉があれば1,150,000円請求することが可能なのです。
同じ通院回数でもここまで金額に開きがあれば、弁護士に依頼しておく方が損もしにくいといえるでしょう。
まとめ
むちうちは、むちうちになった人にしか症状がわからないため不適切な条件で事故解決の話し合いになることも多いです。そのため泣き寝入りをして事故の話し合いが終わってしまうという悲しい結末にもなり得ます。
そのようなことにならないためにも適切な交渉ができる当事務所の弁護士にご依頼・ご相談をいただくことが重要です。
当事務所は男性・女性の弁護士が在籍していますので、ご相談しやすい環境を整えております。交通事故でお困りの場合はぜひ一度ご相談にお越しになられてみてはいかがでしょうか。
