2020.4.1 交通事故問題
交通事故で弁護士へ依頼するポイントは?メリットやタイミングを解説
交通事故は誰にいつ起こっても不思議ではありません。もしあなたが突然ほかの車にぶつけられた場合、幸いにもケガをしなくてもやるべきことはたくさん待ち受けており、弁護士に依頼すべきかどうか悩んでしまうのではないでしょうか。
今回のコラムではあなたが交通事故の被害者になった場合、弁護士に依頼するとどのようなメリットがあるのかを中心に解説いたします。
弁護士に依頼するメリット・デメリット
警察庁が発表している交通事故の統計によると2019年10月だけでも33,062件発生しており、誰にでも起こり得る身近なトラブルです。
交通事故の規模は種々多様ですが、内容によっては弁護士に依頼した方がいいケースもありますが、依頼すると以下のようなメリットが得られます。
メリット
交渉を代行してくれる
交通事故において面倒なことといえばやはり相手側(加害者)の保険会社と交渉することがあげられますが、弁護士に依頼すれば交渉のすべてを代行してくれます。
弁護士はあなた(依頼者)から委任されると、あなたに代わって法律問題を解決してくれる職業なので、あなたが同席しなくても弁護士単独で事件の解決に向けて進行できます。
弁護士に依頼していないと、保険会社からよくわからない専門用語を使われて訳が分からずに事故が処理されてしまうケースも少なくありません。
依頼して交渉を代行してもらえば正しい知識のもと事件を解決できるように進めてくれるので、不安を払拭して事故を収束できるでしょう。
慰謝料を多くもらえる可能性がある
交通事故にあうと車両の修理費用などのほかにも慰謝料を請求することができますが、依頼しておくと慰謝料が高額になるメリットがあります。
慰謝料の算定方法は簡単にいうと3つの基準で支払う額が決定しますが、弁護士に依頼していないとオーソドックスであり、かつ算定額が低い基準が採用されてしまいます。
しかし弁護士に依頼しておくと交渉などを経て、弁護士が使用する高額な基準(弁護士基準、裁判基準といいます)を利用でき、慰謝料が多くもらえる可能性があるのです。
もちろん事故の規模によって変動はありますが、大きな事故になるほど依頼しておく方がいいでしょう。
心理的負担が減る
交通事故の被害者になるとしばらくの間は交通事故のことが頭から離れず、ストレスになることも少なくありません。ストレスを抱えている最中に相手の保険会社から連絡がくると、イライラしてしまいますが、弁護士に依頼しておくと保険会社からの対応から解放され心理的負担が減ります。
ケガは時間が経てば治癒しますが、心に負った傷はなかなか消えませんから、対応を代行してもらい少してでも事故のことを忘れるようにしましょう。
デメリット
依頼には費用がかかる
弁護士への依頼にはメリットが多い反面、やはり費用がかかるという側面ももっています。特に規模の小さいちょっとかすった程度の事故であれば、依頼費用で赤字・費用倒れになるなんてケースもあります。
しかし近年ではさまざまなサービスの付加価値として、弁護士特約という保険がついているものがあり、特約を使うことで依頼費用をおさえられるのです。
詳しくは後ほどご説明しますが、必ずしも依頼費用がネックになるとは限りませんので、安心して弁護士に依頼することもできるようになっています。
弁護士に依頼すべきかどうか迷っている場合
問題なのは実際に交通事故にあって弁護士に依頼すべきかどうか悩むことではないでしょうか。たしかにニュースに流れるような事故であれば依頼すべきですが、規模もそこまで大きくないようなケースでは依頼を考えてしまいます。
交通事故において弁護士に依頼すべきときは、以下の3つのいずれかに当てはまるような時に推奨されます。
ケガをしている
車両と車両がぶつかれば乗車している人にも大きなケガを負うことも少なくありませんが、事故が原因で体に障害が残ることもあります。ケガの度合いによって障害が発生すると今後の生活にも影響し、慰謝料の金額にも影響してくるため交通事故の重要点でもあるのです。
たとえば事故が原因で視力が弱まれば、後遺障害の第十三級として認定され慰謝料を高めることができます。もちろん後遺障害に認定されなければ慰謝料の金額を大幅にあげることはできませんので、体に異変が起きていれば弁護士に依頼しておくべきでしょう。
相手の保険会社と話し合いがこじれている
弁護士なしで保険会社に交渉していると、大半の人が相手の保険会社と話し合いがうまくいかず、こじれてうまくいきません。保険会社も企業なので少しでも支払う保険金を安くしようと考えていますが、ケガをしている者からするととんでもないことです。
相手は素人と思って交渉をしてきているので、終始納得できないような状況であれば依頼すべきでしょう。弁護士に依頼しておけば相手の保険会社も不用意な対応はせず、公平に話し合いを進められるようになります。
事故の内容に納得できない
交通事故の大半は加害者に修理費用などの全額を請求するケースは少なく、一部が支払われて終わる傾向にあります。
これは過失相殺という考えが適用されるためで、車を運転していれば被害者にも他の車とぶつからないようにする回避義務というものがあり、回避義務違反として修理費用などの一部を請求できなくさせるというものです。
もしあなたが完全に停車していてぶつけられたら修理費用の全額を請求できますが、相手が「絶対に動いていた」と主張されれば、過失相殺が適用され修理費用などの一部が請求できなくなります。
このように事故の内容に納得できない場合は個人で円満解決するのは困難なので、専門家に任せて話し合いを進める方がよいでしょう。
出費を抑えて弁護士に依頼したい場合
依頼費用を抑えたいのは弁護士も人間ですから理解できますが、報酬をもらわないと生活できません。依頼に着手金や成功報酬は切っては離せませんが、依頼費用がネックになり依頼したくてもできない人も多いのが現実です。
しかし近年ではネックになりやすい弁護士費用が軽減できる、弁護士費用特約というものがあり、出費をおさえられるようになっています。
弁護士費用特約とは
弁護士費用特約はあなたが加入している任意保険などについているサービスのひとつで、万が一事故が起きた場合でも弁護士への依頼費用をあなたの保険会社が負担してくれます。
たとえば一般的な依頼費用は着手金○万円、成功報酬○万円に慰謝料の○%と高額になりやすいですが、特約を使えば内容によっては依頼費用がゼロになるケースもあるのです。
任意保険に加入していれば特約に加入していることもありますが、実際には特約のことを忘れて利用していない人がほとんどなので、ぜひ一度任意保険の付加サービスをチェックされてみるといいでしょう。
まとめ
弁護士への依頼にはメリットが多く、費用も特約を使うことで出費をおさえて円満に事故を解決できるようになっています。「こんな事故で弁護士に依頼してもいいのかな?」と戸惑うかもしれませんが、依頼しておいたほうが納得して事故を収束させることも可能になります。
当事務所ではご要望にあわせて土日祝日、夜間のご相談もお受けしておりますので、交通事故でお困りの際はぜひ一度ご相談にお越しください。