2020.3.26 借金問題
要注意!自己破産の申請中に取ってはいけない行動
- 「自己破産をすることになったんだけれど、免責が降りるか不安・・・。」
- 「自己破産中に気をつけるべきことってある?」
全ての借金をゼロにできる救済措置である自己破産。その効果が大きい分、「失敗した時どうしよう…」と不安になってしまいますよね。
この記事では、免責がしっかりと下りるように、自己破産中に気をつけるべき行動について解説していきます。これから自己破産を控えている方は、スムーズに免責が下りるようにしっかりと確認しておきましょう。
自己破産は失敗することがある?
自己破産の手続きをすれば、誰でも借金を免除できる訳ではありません。自己破産の制度を不正に使われることが無いように、破産法には免責不許可事由というものが設けられています。
免責不許可事由に該当する行動を取ってしまった場合は、破産が認められなくなる場合があるので、申請者は慎重に手続きを進める必要があるのです。
自己破産の手続きの際に気をつけること
続いて万が一免責不許可事由に該当してしまうことがないように、気をつけるべき注意点を解説していきます。
裁判所の指示にしっかり従う
過去7年以内に破産をしている場合は、再度免責許可を受けることは難しいです。しかし、事情によっては認められるケースもありますので、可能性はゼロとは言えません。自分に自己破産の手続きの最中、裁判所から必要書類を求められたり、裁判所へ出向くように要求されることがあります。
これらの指示を無視したり、何度も期日に遅れたりすることで免責不許可事由に該当してしまう恐れがあります。裁判所から指示を受けた場合は、最優先事項だと思って迅速に対応するようにしてください。
財産を正直に申告する
一定額以上の財産を所持している場合は、換金されて債権者に分配されます。手放したくない気持ちはわかりますが、正直に申告するようにしてください。故意に財産を隠すような言動は免責不許可事由に該当します。
いわゆる「財産隠し」に当たる行為として
- 離婚を装って配偶者に財産を分配する
- 不動産の名義を移す
- 財産目録(所有財産を申告する書類)に嘘を書く
などがあります。これらの行為は絶対に認められませんので、気をつけてください。
借金を全て申告する
- 連帯保証人がついている
- 個人に借金をしている
上記の場合、破産することで人間関係を傷つけることになるので、どうしても借金の存在を隠して申告する方がいます。一部の債権者にだけ借金を返す行為は偏頗弁済(へんぱべんさい)と呼ばれ、免責不許可事由に該当します。
また、債権者名簿(債権者を申告する書類)に嘘の記載をすることも禁じられています。必ず全ての債権者を申告するようにしてください。
直前に借金・クレジットカードの現金化などをしない
自己破産することを良いことに、直前に大量に借金をする方がいます。
目的としては
- 連帯保証人のいる借金・個人にしている借金を返すため
- 破産前に豪遊するため
- 破産費用を賄うため
などがありますが、これらも見つかることで免責が下りなくなります。
弁護士の指示には丁寧に従う
弁護士からの指示にはしっかりと従うようにしましょう。弁護士は、破産管財人や裁判所とのやりとりを仲介してくれます。裁判所へ提出する新たな書類の提出を求められたり、打ち合わせのために事務所に伺うよう要求してくることも度々あるでしょう。
こういった際に電話連絡を無視したり、何度もドタキャンをしてしまうと、裁判所が求める期日から遅れてしまいます。その結果、免責不許可事由に該当し破産手続きが失敗してしまうこともあります。弁護士からの指示には丁寧に、迅速に対応することを心がけましょう。
管財事件の場合は、破産管財人にも丁寧な対応を
自己破産の手続きをする際に、ある一定額以上の財産を所有している場合は管財事件として手続きを進めることになります。管財事件の場合は破産管財人ともやり取りをしていくことになりますが、破産管財人の指示や要求に従わない場合も免責不許可事由に該当します。
基本的に破産手続きの際に誰かから指示された内容に関しては、迅速な対応をするようにしましょう。
免責不許可事由に該当する行動を取ってしまった場合
続いて、万が一免責不許可事由に該当する行動を取ってしまった場合はどうすれば良いのかを解説していきます。
個人再生を行う
個人再生のメリット:借金を原則1/5にすることができる・家財を残すことができる
個人再生には免責不許可事由がありません。自己破産が無理であった場合は、個人再生にて借金を減額することをオススメします。
しかし、こちらも保証人がいる場合は返済義務が保証人へ移るので注意してください。
任意整理を行う
任意整理のメリット:借金の減額見込み・今後の金利をカット
保証人などの関係上個人再生も難しいという方は任意整理を検討しましょう。自己破産・個人再生と比べれば効果は少ないですが、誰にも迷惑がかからない唯一の方法です。
まとめ
借金をゼロにできる絶大な効果を持つ手続きであるからこそ、失敗した時の痛手は相当なものです。自己破産を成功させるコツは、「基本は嘘をつかずに誠実に対応する」ことです。
これから自己破産を行うという方は上記の内容を徹底して、慎重に行動するようにしましょう。