2019.12.26 借金問題
過払い金請求とはどういう手続きなの?わかりやすく解説!
- 「テレビやラジオで過払い金請求の話をよく聞くけど、どういったものなの?」
- 「昔借金をしていたんだけど、自分も該当するのだろうか?」
最近過払い金請求の話をよく耳にしますが、本当にお金が返ってくるのか疑問に思う方も多いですよね。当記事では、過払い金請求でお金が返ってくる仕組み・デメリットについてわかりやすく解説していきます。仕組みを正しく理解すれば「当然の権利」であることがわかると思いますので、是非読んでいただけたらと思います。
過払い金請求ってどんなもの?その仕組みは?
そもそも、過払い金請求とはどういった手続きなのでしょうか?過払い金請求は、賃金業者に対して「過去に払いすぎた金利」を請求する手続きのことを言います。では、なぜ金利を払い過ぎてしまうのでしょうか?それには2007年以前に存在していた「グレーゾーン金利」と呼ばれる高金利が関係しています。
グレーゾーン金利とは
2007年以前の日本には、金利の上限を設ける法律が2つありました。利息制限法と出資法です。
利息制限法の金利の上限は以下の通りです。
借金額 | 利息の上限 |
---|---|
10万円未満 | 20% |
10万円〜100万円未満 | 18% |
100万円以上 | 15% |
対して、出資法の上限金利は29.2%でした。当時、出資法の29.2%を超えない限りは刑事罰を課せられることはなかったのです。それをいいことにほとんどの賃金業者が、利息制限法の上限金利を大きく超えた金利を設けていました。この20%〜29.2%の金利が、グレーゾーン金利です。
2006年に賃金業法が改正されることが決定されたことにより、2007年以降は実質金利の上限が利息制限法に統一され、2010年にはグレーゾーン金利は完全に無くなりました。過払い金請求は、高金利のグレーゾーン金利を払っていた人が当時の借金元に「あの時払った金利を返してください」と請求する手続きになります。
本来法律違反である過剰な金利を設けていたのは賃金業者です。過払い金請求をすることは当然の権利であると言えます。
過払い金請求ができないことってあるの?
条件次第では過払い金の請求ができない場合もあります。順番に見ていきましょう。
2007年以前に借金をしていた人
改正賃金業法の施行は2010年ですが、2007年代には大手賃金業者を筆頭にグレーゾーン金利は撤廃され始めました。なので2007年以降に借金を開始した人のほとんどは、適正な金利の範囲内で借金をしていることになります。当然、払い過ぎたお金が発生していないので、過払い金を請求することはできません。
最終取引から10年以上たっていないこと
過払い金請求には時効が存在します。最終取引から10年以上が経過している場合は、過払金を請求することができません。
※最終取引は、最後にお金を返済した日が該当します。現在も取引が続いている場合は問題ありませんが、すでに借金を完済している方は早めにあ過払い金の有無を確かめた方が良いでしょう。
取引していた会社が倒産していないこと
取引をしていた賃金業者がすでに存在していない場合、過払い金を受け取ることができません。取引していたのが大手の賃金会社であったとしても、2007年以降多くの賃金業者が倒産していますので、過払い金の疑いがある場合は迅速に確認する必要があります。以前取引していた会社が他の会社に吸収合併されているという可能性もありますので、事情に詳しい弁護士に一度相談してみるべきです。
過払金請求をするデメリットは?
過払い金請求は基本的にはメリットしかありませんが、一定の条件が重なるとデメリットが発生する可能性があります。条件別に見ていきましょう。
過払い金請求をしても借金が残る場合
現在借金の返済中で、なおかつ過払い金請求をした後も借金残高が残ってしまう場合、手続き自体が「任意整理」という扱いになってしまうため、ブラックリストに登録されてしまいます。
過払い金請求で借金が完済できる場合
過払金により、借金が完済できるのであればデメリットは一切ないと言えるでしょう。場合によっては、手元にお金が戻ってくる可能性もあります。
すでに借金を完済している場合
借金を完済している場合もデメリットは一切ありません。過払い金があった場合はその分のお金を受け取ることができます。
過払い金を多く受け取れる人ってどんな人?
続いて、過払い金を多く受け取れる見込みの大きい方の特徴を解説していきます。
借金額が大きかった場合
借金の金額が大きければ大きいほど金利も大きいので、当然払い過ぎていたお金も大きくなります。
取引期間が長かった場合
借金の返済に時間をかければかけるほど、支払う金利の額も大きくなりますので、取引期間が数年に渡る場合は多くの過払い金が発生している可能性が高いです。
取引者数が多かった場合
取引していた会社が複数者ある場合は、2重、3重と金利がかかってたことになるので、こちらも多くの過払い金が発生している見込みがあります。
まとめ
沢山のメリットがある過払い金請求ですが、個人でやるのには時間と労力がかかるので、弁護士に依頼するのがオススメです。対応が遅れてしまうと、受け取れるはずだったお金が受け取れなくなってしまうこともあるので、少しでも心当たりがある場合はすぐにでも確認するようにしましょう!