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コラム

離婚問題

離婚協議書は公正証書にすべき?作成のメリットとデメリットを解説

離婚協議書

離婚の話し合いがまとまれば離婚協議書を作りますが、離婚協議書を公正証書という書面にするとより強靭な証拠になります。離婚してからトラブルになった場合、公正証書作成をしておくと「養育費を払ってもらなくなった」などのトラブルにもしっかりと対応できるのです。今回は離婚協議書を公正証書にすることで得られるメリットとデメリット、作成方法などについて詳しく解説していきます。


公正証書とはどんなもの?

悩む女性

公正証書は一般人であれば聞き馴染みのない言葉ですが、ざっくりお伝えすると、ある書面に法的効果と裁判の判決文と同じ効果が得られる書面のことをいいます。たとえば、夫(妻)との取り決めで「財産分与は○○にします」や「養育費は月に○万円支払います」として、離婚協議書(夫婦で話し合ったことを書面にしたもの)にまとめたとしましょう。

相手が誠実であれば離婚協議書に記載された内容を守って実行してくれますが、中には約束どおりに動いてくれない人もいらっしゃいます。この場合、公正証書にしておくと判決文と同じ効果が発生するので、「約束(公正証書)のとおりにお金を払ってください」と申し出て、強制的に記載した内容を実行させることができるのです。ただし、離婚協議書と比べると強い権限がありますが公証役場という事務所にいる公証人に依頼をしなければいけません。


公正証書の効力

離婚とは役所に夫婦関係を解消する手続きですが、別れるにしてもさまざまな夫婦の間で離婚条件をつけて別れることはよくあります。別れるときになにか条件をつけて別れる場合は一種の契約(離婚契約)としてみなされ、離婚協議書は離婚契約の契約書として考えられます。しかしあくまでも離婚協議書は契約書にすぎないので、相手が約束を守らなかったとしても、強制的に離婚協議書の内容どおりに実行させることは困難です。

公正証書は作る時に夫婦が揃って公証役場に出向いて話をしながら公証人が作成をしますので、記載した内容は特に守らなければいけないといえます。もし公証人立ち会いのもと作った条件や内容に違反すれば、当事者と第三者が立ち会いのものと約束した内容(公正証書契約)を破ったのですから、強制執行をされても仕方ないのです。


公正証書の有効期限

公正証書の作り方ですが、離婚協議書のように夫婦だけで作れるものではなく、公証役場という事務所にいる公証人に作ってもらうことになります。公証役場にいきなり依頼しにいくのもいいのですが、なんの案もなく公証役場に行って作ってもらっても時間が非常にかかります。

一般的には離婚協議書を公正証書にしたい場合は、あらかじめ夫婦だけで話し合いをしてどのような条件を設定するのかをまとめておくのがよいでしょう。公正証書にする前にある程度条件などを決めておけば交渉人も理解しやすく、「この条件は○○のような形にしてみたらわかりやすいのではないですか?」とアドバイスをしながら作ることも可能です。公証役場はお住まいの地域や都心部に構えていることが多いので、公証役場の住所はホームページなどからチェックしてみてください。


公正証書の作り方

本籍の書き方は、婚姻届を提出した際に夫婦で決めた「婚姻後の夫婦の氏・本籍」を記入します。結婚を機にふたりで新しい土地や家で生活をしているような場合、多くは新住所を本籍地にしている場合が多いです。また、本籍の下段に『筆頭者の氏名』という欄がありますが、筆頭者とは住民票を取得した際に一番最初に出てくる人のことだと思っていただいて問題ありません。もし夫(妻)が筆頭者であれば、夫(妻)の名前をフルネームで記載します。


公正証書の作成費用

離婚協議書を公正証書にする費用は、書面に記載した養育費や慰謝料の額などを合算した金額に応じて変化します。たとえば養育費を月に5万円にして5年間支払い続ける条件を設定した場合、月5万円×12ヶ月×5年間なので、300万円が設定されることになります。すると、300万円の場合は作成手数料表から『200万円を超え500万円以下』に該当しますので手数料は11,000円となります。公正証書作成手数料については、日本公証人連合会に記載されていますので、下記リンク先からご確認ください。

日本公証人連合会(http://www.koshonin.gr.jp/business/b10


公正証書をつくるメリット・デメリット

メリット・デメリット

離婚協議書を公正証書にすれば、別れた後のさまざまなトラブルを未然に防ぐことが可能になります。ただし、メリットがあればデメリットももちろんあります。ここからは公正証書にする場合のメリットとデメリットについてご紹介していきます。


メリット

1:証拠能力が高い

公正証書は夫婦揃って公証役場に出向いて、公証人に作ってもらいます。当事者が揃って作成しますから内容に食い違いなどの発生も少ないうえに、第三者である公証人が作るため客観的にみても証拠能力が高いといえるのです。


2:強制執行ができる

公正証書依頼のメリットは、やはり相手が約束を守らなかった際に強制執行ができる点にあるといえます。離婚協議書だけで相手に約束を守らせたいのであれば、どうしても裁判所の手続きが必要になりますが、公正証書は裁判をしなくても強制的に相手に約束を実行させることができ手間が省けるのです。


3:原本がなくならない

離婚協議書を公正証書にする場合、作った書面は保存しなければいけません。適切に保存していればなくなるような心配はありませんが、中には書類を紛失してしまう方もいらっしゃいます。もし公正証書を紛失してしまった場合でも、依頼した公証役場に保存されているので万が一あなたが紛失しても再取得が可能なので安心でしょう。


デメリット

1:お金がかかる

デメリットとしては、公証人に依頼をするのでどうしても費用が発生してしまいます。条件で決めたお金のやり取りの合算額がそこまで高くないのであれば安く済むこともありますが、養育費や慰謝料などをたくさん盛り込んでいると作成手数料も大きくなり出費になってしまうでしょう。なお、作成費用は誰が支払うのか?という問題が起きやすいですが、特に争いがなければ夫婦が平等に負担することになります。


2:公証人に話をしないといけない

当然ですが公証人に書類を作ってもらうので、公正証書に必要な情報をすべて伝えなければいけません。つまり、もしあなたの浮気や不倫が原因で夫婦関係が破綻し慰謝料を請求されることになっていれば、公証人からすると「この人不倫したんだ」と思われるおそれもあります。ただし、公証人はあくまでも公務員に近い職員なので依頼人の情報を口外することはありませんが、公証人の視線が気になるリスクは拭いきれませんので注意が必要でしょう。


公正証書は離婚後にも作成できる?

注意

公正証書は別れる前に作るのが一般的ですが、中には別れた後で作ろうとする人がいらっしゃいます。別れた後であってももちろん公正証書の依頼は可能ですが、(元)夫婦が揃って公証役場で話し合いをしながら作ります。しかし離婚が成立してしまっていては条件を設けたくても、すでに別れているので相手が条件に応じないことがあるのです。そのため作成自体は可能ですが、相手が応じてくれないこともあるので離婚後の公正証書はハードルが高いといえます。


より安全に離婚したいなら

もしあなたが離婚問題に直面していて、少しでも離婚に対する不安があるのであれば離婚届を出す前に弁護士にご相談されてみてはいかがでしょうか。あなたが全面的に納得しているのであれば構いませんが、もし夫(妻)が約束を守らない、暴力を振るうなどをする人であれば簡単に離婚届を出してはいけません。仮に離婚協議書を作成していてもこのタイプの人は約束を守らずに姿を消す、もしくは開き直る恐れが高いのです。

弁護士にご相談いただければ離婚条件のチェックや適切な対処法であるかを見てくれますし、メンタル面でのサポートも可能なのでぜひ相談されるとよいでしょう。弁護士にご依頼いただければ弁護士用はかかりますが、離婚条件の再交渉や公正証書作成の代理人になることも可能なので、夫(妻)に会いたくない場合のリスクを避けることも可能です。手続き面でもぐっと楽になりますので、相談だけでもしてみると気持ちが楽になるでしょう。


まとめ

公正証書は大きなメリットがある反面、どうしても作成費用がかかりますのでネックになりがちです。しかし公正証書は別れた後のトラブルを未然に防いでくれる効果も期待できると言えます。もし公正証書をつくったほうがいいかお悩みの場合は、離婚問題の解決実績が豊富な当事務所に一度ご相談されてみてはいかがでしょうか。

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