2019.9.30 離婚問題
法的に有利な離婚を進めるには?後悔する前に知っておきたいこと
離婚は円満で別れられれば、離婚の話し合いでもめてしまい悪い方向に進んでしまうこともあります。不仲な夫婦ほど離婚を有利に進めたいと考えてしまいますが、男性が有利に離婚を進めたい場合はどうすればいいのでしょうか。今回は離婚するための条件と、男性(夫)が有利に離婚を進められる対策についてご紹介いたします。
離婚するための条件とは
離婚は夫婦の合意で成立するものなので、きちんと話し合いの場を設けて双方が納得できれば後腐れなく離婚ができますが、いがみ合って話し合いによる離婚(協議離婚といいます)もできないケースもあります。このような場合、話し合いだけでは離婚問題は解決できないので裁判所で話し合う調停などを通じて離婚するかどうかを検討していきます。また、双方合意だけでなく、相手に以下の項目や原因に当てはまる場合、相手が納得しなくても法律上離婚できるのです。
不貞行為があった
不貞行為とは、要するにあなた以外の男性と体の関係をもってしまったことをいいます。家庭に関する規定を設けた民法では、夫婦は配偶者ではない第三者と性的関係をもたないとする貞操義務があると解釈されています。結婚して一緒に生活をしているのに奥さんが知らない男性と体の関係をもったら、誰でも夫婦関係が壊れたと考えますから、離婚できて当然でしょう。
夫婦生活をわざと壊した
夫婦生活とは夫と妻がともに助け合って生活をしていくものです。しかし夫婦生活が長くなれば認識に違いが出てくることもあり、たとえば長期間無断でどこかに外泊したり、別のマンションを借りて住んでいるなどがあげられます。このような行為を法律用語で『悪意の遺棄』といい、悪意は『わざと』、遺棄は『捨てる』という意味で、夫婦生活をわざと捨てて壊すことをいうのです。夫婦生活をわざと破壊しようとしているのであれば、そもそも夫と妻の間に絆がなくなっていると考えられますから、結婚生活を続けさせる理由がありません。
夫婦関係を継続できない事情がある
裁判所でおこなう調停離婚や、離婚裁判で離婚を検討する場合、離婚できる法律上の理由がなければ認められないのが原則です。離婚できる法律上の原因は主に先ほどお伝えしたような不貞行為などがあげられますが、夫婦といえども千差万別ですので、明記された法律上の原因に当てはまらないことも良くあります。
たとえば離婚原因のひとつに『性格の不一致』があげられます。結婚前は男性と女性が「この人と付き合いたい、結婚したい」と考え本来の自分を抑制し、相手に見せないことはよくあることです。しかし結婚してからは気の緩みから本来の自分が出てきてしまい、相手(妻)との性格が合わないことがあります。
このようなケースですと離婚が認められることもありますが、お互い努力をして改善されるように努め、それでも夫婦関係を継続できない場合にしか認められません。性格の不一致で離婚する場合は、どのような努力をしたのかなどを記録しておかないと、離婚裁判では不利になりますので、注意が必要でしょう。
夫婦関係悪化の原因があなたにあると指摘された場合
もしあなたが妻に離婚したいこと、なぜ離婚したいのか理由を切り出した場合、過程はさておき離婚できることとなったとして、奥さんから厳しい離婚条件を突きつけられる恐れもあります。もし次のようなことを理由に厳しい離婚条件を突きつけられた場合、どうすれば不利な離婚条件から脱出できるのでしょうか。
失業していることを指摘された場合
近年ではどんなに大手企業に勤めていても何が起こるかわらかないのが現実で、突然解雇になるおそれもあります。収入源を絶たれてしまえば、奥さんは思い描いていた生活や環境を壊されたと考え、離婚協議(話し合い)で、夫婦生活で築いてきた財産を多く分けるように迫る場合もあるでしょう。
失業してから就職活動をしていなければ反論は難しいですが、失業してからすぐに就職活動をしたり、定職に就けたのでならば、必要な努力はしたと認められるので、不利な条件に同意する必要はありません。
義両親との不仲を指摘された場合
結婚すれば妻の両親(義両親)ともある程度の付き合いをしていかなければいけません。もし義両親とうまく関係を保てていなければ、ことあるごとにピリピリした雰囲気になり、場の空気を壊してしまう場合もあります。義両親との関係を理由に夫婦のケンカに発展することもありますし、ケンカが頻繁に起これば夫婦関係に亀裂も入ってしまうでしょう。
義両親と打ち解けられないにしても、あなた自身が義両親と接する機会を多く設けていたり、会話しようと努力したことを証明できれば、離婚時に義両親との不仲を持ち出されず不利になりにくくなります。
生活費を家庭に入れなかったことを指摘された場合
もしあなたが働いていて生活費を家計に入れていなかったという事実があれば、離婚を有利に進めるどころか不利になることは必至です。しかし、妻が「ランチは毎日外食したいからもっと稼いできて」など家計を顧みずに浪費をしていて生活費をもっと入れてと主張していた場合は話が変わります。
夫婦生活はお互い助け合っていかなければいけないのに、収入以上の浪費を妻がしていてもっと稼いでこいと言われても妻が家計を台無しにしていれば、夫に問題はなく正当性があると考えられるでしょう。
離婚を有利に進められるモノ・コトとは?
離婚する場合、話し合いもあれば裁判所の手続きを通じておこなう離婚することになるでしょう。もし相手(妻)が離婚原因を作ったと認めていればスムーズに離婚できますが、妻が事実を認めずに離婚を拒否したり離婚条件(慰謝料など)を拒む場合があります。
この場合、やはり離婚原因を作ったとする証拠がなければ証明できませんから、離婚する前に証拠集めや準備をしておくと離婚を有利に進められます。証拠の代表的なものに以下のようなものがあるので、備えておくとよいでしょう。
日記
妻がどこかで勝手に暮らしはじめたり、浮気をしはじめたら日記をつけはじめましょう。日記は離婚原因をつくったことを証明できる力はそこまで強くありませんが、他の証拠と揃えることで説得力が増し、協議を有利にできたり、調停や裁判が有利に進行する効果が期待できます。いつ、どこで、何があったのか細かく記録しておくと真実味が増して、証拠として採用してもらえるでしょう。
浮気・不倫の証拠写真
妻がもし浮気や不倫をしていれば、浮気の相手が存在しますので、妻とその浮気相手がホテルに入っていく現場の写真を撮っておくと強い証拠になります。また、一回の写真だけではなく、日を分けて浮気や不倫をしていればその数だけ現場の写真をおさえれば繰り返し不貞行為をしていた証拠になるので、離婚も有利に進められます。
ただし、証拠写真を撮るにしてもあなた個人で動くには限界があるうえに、場合によっては探偵や調査会社に依頼しなければいけないケースもあります。いくら離婚を有利に進められるからといっても探偵などに依頼していると出費が大きくなりすぎて、離婚は有利に終えられても赤字になってしまうこともあるので、慎重に検討しなければいけません。
暴力を受けた
近年では男性からだけでなく、女性からの暴力がおこなわれています。軽い力で叩かれる程度であれば証明は難しいですが、もしモノを投げられて負傷した場合、急いで病院に行き診断書をとっておくと、離婚を有利に進められる可能性が出てきます。暴力は夫婦生活を破壊する行為ですから、繰り返し起こされるようであれば離婚を有利に進められ、また、慰謝料の請求も可能です。
まとめ
妻に離婚原因があれば、男性でも有利な条件で進められることは可能です。しかし離婚原因をつくったと認めない人もいらっしゃるので、有利に離婚を進めるにはやはり証拠が必要になってきます。証拠集めは個人でできるものもあれば、弁護士などの力を借りないとできないものもあります。
当事務所にご相談いただければご不安なお気持ちや疑問点を解消し、有利に離婚ができるようにサポートいたしますので、ぜひ一度ご相談にお越しになられてはいかがでしょうか?