2020.4.17 正木ブログ
カードの現金化は厳禁!!
新型コロナウィルスで収入が減った人のために,ということで様々な補助金や給付金の議論が報道を賑わせています。
個人的に興味深く見ているのが社会福祉協議会の生活福祉資金等の特例貸付です。色々紆余曲折を経てきた制度ですが、借入金の総量規制・グレーゾーン金利の撤廃等の際に、緊急にお金を必要とする人のために制度が拡張されました。そして、制度拡張当初は、実績作りの目的もあり、それなりに貸付けが許可されて有意義に利用されてきた印象でした(尤も、愛媛の松山市などであれば審査は週1回なのでタイミングが悪いと1週間待ちになります)。
その後、制度が定着すると、貸し渋りが起きるようになり(データにもっと付かない個人的な予想ですが、返済率が悪かったのだろうと思います)、客観的には借り入れの要件を満たしているような方でも、あれこれ理由がついて貸付けを拒絶されるようになりました。また、景気が良くなったこともあり、私からもご相談者様にこの制度を紹介することはなくなりました。
そして、今回、新型コロナウィルスで生活が困窮した方のために、ということでこの制度が再度脚光を浴びるに至りました。インターネット上のやりとりを見ていると、どうも審査も早く、実際に貸付けがおこなわれているようです。一時の貸し渋りを見ていると、一体何が起きているのか、という気持ちになります。
さて、そんななか、最近再び「クレジットカードの現金化」をうたった迷惑メールが増えてきました。
言うまでも無いことですが、クレジットカードのショッピング枠は、ショッピングのために信用が与えられているのであり、現金化はクレジットカード契約違反です。
また、このようなクレジットカードの不正利用は「著しく不利益な条件で債務を負担し,又は信用取引により商品を買い入れてこれを著しく不利益な条件で処分したこと」として自己破産の免責不許可事由にあたります。つまり、このようなクレジットカードの不正利用をすると、自己破産後に債務の支払義務が無くならない可能性があるのです。
今回の新型コロナウィルスによる経済不況で、生活が苦しい方も多くおられると思いますが、生活が苦しい方のために様々な援助制度が設けられております。感染の可能性があるのでなかなか制度の詳細を聞くために役所などに行けないのが悩ましいのですが、それでも、悪徳業者の罠にはまってクレジットカードの不正利用はしないよう、くれぐれもご注意いただきたいと思う次第です。
なお、説明が二転三転するようですが、万が一このようなことをしてしまったとしても、正直に弁護士にご相談いただければ、対応は可能です。道はありますので、弁護士にご相談ください。